COMPANY

COMPANYKISHII’S COLUMN

KISHII’s COLUMN岸井コラム

働きがいと自分らしさ

自分らしさや、働きがいを持てにくい理由は、
効率、便利を求めるからという話。

コンビニはまさに便利の王様で、毎日必ず通っているけれど、
この場所のお店でなければならない理由がない。
コンビニ店員さんは、こちらの名前は知らないし、店員さんの名前も知らない。
コンビニの店員さんは便利なシステムの一部と見ていて、
効率的に働いてくれれば、
人間らしさやその人らしさはいらない、とさえ思っています。

マニュアル通り動いてくれれば、誰でも替えが効く存在。
人間らしさみたいな、あいまいで不確定なものは、
かえって効率を悪くするので、機械的になる。
私たちが、効率、便利を求める結果として、そうなってゆく。
客も店員もお互いに人柄に関心がない。
システムの一部として、替わりの効く人と扱われ、
システム中心で人間が部品化する現状は、
つい効率便利を求め、便利システムに依存する。
結果、その人らしさを求めない。

システムに人間が支配されてるような、「人間性不在」を引き起こしている。
ウチの近所の今市商店では、オヤジさんに「ビール2ケースお願い」と言えば、
「あいよ、次の水曜日でいいかい?」と答えて届けてくれる。

オヤジさんとは、互いに家族構成まで分かっている間柄で、
ウチのワンコが死んだ時も、「グリコちゃん亡くなって淋しいね」と声かけてくれる。
だけど、買い物はつい近くのセブンイレブンで買ってしまう。
だから、今市商店はこの10年で店が5分の1に縮小した。
今市商店は地域のコミュニティだけど、
セブンイレブンはコミュニティというより、システムだ。

今市商店は日曜日は営業してないし、夜も早く閉めてしまう。
だからついコンビニで買ってしまうクセがついてしまった。
自分の会社で言えば、
この数年で営業時間が短くなり、拘束時間が短く、
昔に比べてれば、スタッフは早く帰りやすくなった。
有給休暇も取りやすくなった。

そうした改善をすれば、
短く働いて効率よく売上を上げなければ成り立たないので、
売上生産性に厳しくなる。
無駄をなくしてゆくことによって、自分らしさや人間性を
阻害するようなことにつながっていると思う。

効率を求めることによって、人のつながりがどんどんドライなものに変わってゆく。
仕組みや制度を整えることによって、
文化や風土、価値観が薄っぺらくなっていってる。
合理性と効率性を追求しながら、
人間性、その人らしさウエルビーイングを実現するには、
大事な「無駄」がなくちゃならない。

コミュニティは、お互いに分かり合っているつながりだから、
ウエルビーイングにはコミュニティの在り方がとても重要です。
ライフスタイルコミュニティを志向しながら、
効率性に偏った自分の感覚が巡り巡って、
新卒の離職という結果に繋がったのだと反省している。

車のハンドルに「遊び」があるように、送電線には必ず「たるみ」をつける。
そうした一見無駄と思える「遊び」の大切さを知るための、
必然だったのかも知れない。
今後は週2回は、誰かを誘って夜の飯を食べに行こうと思います。