― 意識と行動、そして「自分の好き」を見つめて ―
今回のヘアアカデミーでは、夏のプロモーションを振り返るとともに、「自分の好き」を言葉にするワーク、カウンセリングから仕上げまでを想定した実践練習を行いました。
日々の営業の中で目標を追いかけていると、どうしても結果や数字ばかりに目が向いてしまいます。しかし、結果は突然生まれるものではありません。
意識が変わることで行動が変わり、その積み重ねが結果につながっていく。
先輩の経験や同期の実例を通して、その大切さを改めて考える一日となりました。
「売る」のではなく、お客様を知ることから

プロモーション期間中、メンバーが難しさを感じていたことの一つが、お客様へのアプローチでした。
おすすめしたいメニューや商品があっても、「売り込みだと思われたくない」「最後のひと言が言えない」「どう会話を広げたらよいか分からない」と感じることがあります。
そこで大切にしたのが、最初から商品をおすすめするのではなく、まずお客様のことを知ることです。
普段の生活やお仕事、髪や頭皮のお悩みを伺い、「いつから気になっているのか」「どのようなときに感じるのか」と、もう一歩深く聞いていく。その会話の中から、お客様に必要な技術や情報を見つけていきます。
「買っていただく」ことにとらわれるのではなく、まずは商品の良さや正しい使い方を知っていただく。選ぶのは、その情報を受け取ったお客様自身です。
実際に、最初はヘッドスパを断られたものの、短時間の施術を体験したあとに「やっぱりお願いしたい」と言っていただけた事例も共有されました。
施術後に「次回もお願いしたい」「その金額を払う価値がある」と声をかけていただいたメンバーもいます。
それは単なる売上ではなく、目の前のお客様に向き合い、学んだ知識や身につけた技術を届けた結果です。
結果だけでなく、できるようになったことを見る

プロモーションを振り返ると、うまくいかなかったことや難しかったことの方が、強く記憶に残ってしまうことがあります。
しかし、受講者からは、
「始める前より成長している部分に気づけた」
「嬉しかったこともたくさんあったと思い出せた」
「自分と同じことで悩んでいる同期がいると分かり、改善策を共有できた」
という声が聞かれました。
目標に届いているかだけでなく、お客様へ声をかけられるようになったこと、会話が増えたこと、学んだ知識を説明できたことも、大切な成長です。
結果だけに目を向けるのではなく、そこに至るまでの意識と行動を振り返ることで、次に変えられることが見えてきます。
分からないことは、先輩に聞く

一年目は、まだ経験していないことや分からないことがたくさんあります。
知識として学んでいても、実際に商品を使い続けているお客様の方が、質感や使用感をよくご存じの場合もあります。
だからこそ、自分一人で答えを出そうとせず、先輩に聞くことが大切です。
「なぜ、このお客様にはこの商品を使っているのですか?」
「どのようにお伝えしていますか?」
先輩の言葉やアプローチを吸収し、自分なりの言葉に変えてお客様へ届ける。最初は先輩の伝え方をまねることからでも構いません。
先輩の経験談を聞いた受講者からは、「努力は続けていれば必ず身になると実感した」「合格した技術も練習を続け、努力を惜しまないようにしたい」という声もありました。
一度学んで終わるのか、続けて自分のものにするのかは、自分次第です。自ら学びに行く姿勢が、知識を技術へ、そしてお客様からの信頼へと変えていきます。
カウンセリングから仕上げまでを実践
午後は、カウンセリングからシャンプー、施術中の会話、アウトバスの付け方、ブロー、アフターカウンセリングまで、実際のサロンワークを想定して実践しました。
お客様のお悩みを聞くだけでなく、その背景まで深掘りすること。専門的な知識を、分かりやすい言葉に置き換えて伝えること。施術中の無言の時間にも、ホームケアや追加料金のかからないケア方法をお伝えすること。
さらに、アウトバストリートメントは付け方の違いによって質感が大きく変わることも体験しました。すでに商品をご購入いただいているお客様にも、デイリーケアのアドバイスとして伝えられる学びです。
受講者からは、「お客様の普段の行動が見えるくらい、会話を深めたい」「元気な表情や声のトーンから意識したい」「学んだことを無言の時間のままにせず、アウトプットしていきたい」という具体的な目標が生まれました。
実践してみたからこそ、会話を続ける難しさや、言葉遣い、風を当てる位置など、自分に足りない部分にも気づくことができました。
うまくいかなかった経験も、成長の一部
忙しい中で十分なアプローチができなかったこと。お客様のご希望をくみ取れなかったこと。情報共有が不足し、厳しい言葉をいただいたこと。
失敗した瞬間は、誰でも落ち込みます。しかし、その経験から、
- 事前にカルテや情報を確認する
- お客様に合わせて技術や力加減を変える
- 自分だけで抱えず、周囲へ共有する
- 相手の表情や反応をよく見る
といった、次につながる学びが生まれます。
受講者一人ひとりも、残りのプロモーション期間に向けて、「プレシャンプーに入ったお客様へ炭酸について伝える」「地肌化粧水の大切さを説明する」「お悩みの背景まで深掘りする」など、具体的な行動目標を掲げました。
あと2週間。数字だけを追いかけるのではなく、「プロモーションがあったから自分は変われた」と言える行動を積み重ねていきます。
「自分の好き」を言葉にする

授業では、それぞれが好きなヘアスタイルの写真を4枚持ち寄り、「なぜ、このスタイルに惹かれたのか」を考えるワークも行いました。
最初は「かわいいから」「雰囲気が好き」と答えていたメンバーも、写真を一枚ずつ比べていくと、さまざまな共通点が見えてきます。
顔まわりの動き、レイヤーの入り方、毛先の質感、透明感のある色、重さと軽さのバランス、柔らかさの中にある少しのエッジ。
同じ「かわいい」でも、一人ひとりが惹かれる部分は異なります。受講者からも「十人十色で、全員の好きなスタイルが違うことが面白かった」「自分では気づかなかった共通点を知ることができた」という感想がありました。
さらに、
「このスタイルを、どのようなお客様に提案したいか」
「自分が作るなら、どこにこだわりたいか」
「三年後、どのような美容師になっていたいか」
と考えを深めていきました。
好きが、練習する意味をつくる

技術試験に合格することは、一つの目標です。しかし、その先には、その技術で喜んでくださるお客様がいます。
自分が作りたいスタイルや、解決したいお客様の悩みが見つかると、練習する意味も変わります。
「このスタイルを作れるようになりたい」
「同じ悩みを持つお客様を笑顔にしたい」
そんな思いが、日々の練習を自分の未来につなげてくれます。
好きなものに正解はありません。一人ひとりの「好き」が違うからこそ、出会うお客様も、育っていく美容師像も違います。
SNSで流れてくるものをただ見るのではなく、「自分は何に惹かれたのか」と一度立ち止まって考えてみる。
流行に乗るだけではなく、自ら新しい魅力をつくり、発信する側になることも、美容師の仕事です。
今回見つけた小さな気づきや「好き」を、明日からの営業と練習へ。
結果だけにとらわれず、意識と行動、そして自分自身の成長に目を向けながら、一人ひとりが次の一歩を踏み出していきます。
講師
松本涼大朗
佐藤礼奈
林田彩衣






























