enbleではこのたび、外部講師をお招きし、犬の栄養と食の正しい知識をテーマにしたフードセミナーを開催しました。
お客様には個別相談会を、スタッフには専門的な講習を行い、日々のフード選びや健康管理に役立つ知識を深める時間となりました。

■ 食事は“いのちの根っこ”

講師の藤原先生からまず語られたのは、「ルート(根本)」の大切さ。
犬の体調や毛艶、行動の変化の多くは、日々の食事が基盤になっているということでした。
総合栄養食・一般食・療法食といった分類に加え、最近注目される手作りごはんブーム。
「やってあげたい気持ちは大切。でも、補うべき栄養素を理解することがもっと大切です」とのアドバイス。
特に亜鉛やミネラル不足、油の質が犬の健康や被毛の状態に大きく影響するそうです。
■ “手作り+ドライ”のいいとこどり

完全な手作りではなく、ドライフードに少し手作りをトッピングするスタイルが推奨されました。
偏りを防ぎながら、自然な栄養を補える理想的な形です。
特に、近年は「毛がパサつく」「痩せてしまう」などの悩みが増えています。
加工食品=悪というイメージではなく、バランスと品質を見極める目を持つことが大切です。
■ アレルギー・油・たんぱく質の新常識

アレルギー対策のために食材を制限しすぎると、かえって免疫バランスを崩してしまうことも。
「同じものを食べ続けるより、多種類のタンパク質を摂る」ことで、アレルギーを起こしにくい体質づくりにつながります。
また、脂質では「オメガ3系脂肪酸」が健康的な皮脂を保ち、毛並みをサラサラに。
一方、動物性油脂を多く含むフードはベタつきの原因にもなるそうです。
カンガルーやヤギといったオーストラリア産のサステナブルな赤身肉は、脂肪燃焼をサポートする理想的なタンパク源として注目されています。
■ 腸と健康の関係

フード選びの重要なポイントとして、「腸内環境を整える」ことが挙げられました。
ブリストルケールを用いた排便状態の観察や、アルファルファ(牧草由来繊維)など、
腸・肝臓・膵臓に負担をかけにくい素材選びが健康寿命を延ばす鍵になるとのこと。
■ enbleトリマーの役割

「正しい食事の提案ができるトリマーは、お客様の信頼をさらに深められる」——
セミナーの終盤には、そんな言葉が印象的に響きました。
月に一度のトリミングは、愛犬の体調や毛艶をチェックできる貴重な機会。
状態の変化を見ながら食事面でのアドバイスを行い、健康の循環をサポートする。
それがenbleトリマーの新しい役割でもあります。
■ 最後に

今回のセミナーは、創業22年の歴史を持つ講師の経験と、
「自分たちの手で本当に良いものを作りたい」という想いが詰まった内容でした。
enbleはこれからも、「カット・シャンプー・トリートメント・トレーニング・リラクゼーション」に加え、
“食”からはじまるトータルビューティーを大切に、わんちゃんと飼い主様の幸せを支えてまいります。

本日お越しいただいた講師
株式会社ビィ・ナチュラル
藤𠩤 博文氏 代表取締役
1972年11月25日生まれ。AB型。
山口県下関市出身。1995年関西学院大学文学部史学科(現:文化歴史学科)卒業後、大手家庭用品メーカーに入社。
2000年関西のペットショップチェーン子会社に転職。そこでペットフード商品開発者フランク・ヴァン・ドーア氏と出会う。彼のコンセプトに惚れこみ、ビィ・ナチュラルの前身となる商品を開発、発売。しかし商品が軌道に乗る前に、親会社が買収され、同時に解雇される。商品や取引先に強い思い入れのあった私は一念発起。
2003年創業し、自社ブランドとしてビィ・ナチュラル発売。
