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COMPANYKISHII’S COLUMN

KISHII’s COLUMN岸井コラム

「変化」か「死」か

人事評価は、人の性能を引き出す。
大事な要素ですし、
どのような成果を求められているのかを示す必要があります。
新しいメンバーが加わり、チームの一員になった場合は特に、
仕事の役割と成果、優先順位、重要度、意味を知ることで
ズレや無駄が減り、性能を引き出しやすくし、
何かに貢献できている実感が働きがいにもなります。

ただし、人の性能を引き出す上での注意点は、
動機となるものに、
外発的動機と内発的動機があるということです。
瞬発的な力を発揮する外発的動機と、
継続的に大きな力の源となる内発的な動機です。
評価、評判、お金は外発的動機。
好き、面白い、興味は内発的動機。
じぶんのアイデンティティである、
「日本人だから」「家族だから」
「社会人だから」「美容師だから」
「○○の一員だからこそ」という、
そこに自分が属している肯定感は、内発的動機です。

いくら報酬が高くても、
自分自身や自分の属性を否定してまで、
それをしたいとは思わないものです。
外的な動機と評価である「金持ち」の属性を得るために、
何でもするという人もいます。
しかし、私は○○であるということを否定してまで、
やる動機があるとしたら、よほどのことだと思います。
それは、長く続けられることではないでしょう。

自分の納得できる仕事、職場、属性でいられる肯定感が、
長くその仕事を続けられる動機となるものです。
サッカーで現役を続けているカズこと三浦和良は、
50歳を超えプレーヤでいることを選んでいますが、
特殊な例でしょう。
プロスポーツ選手であればたいがい40歳で、
自分の属性を変えなければならない時が来ます。
タクシー運転手が好きでやってる人も、
自動運転や、ウーバーなどが当たり前になれば、
その仕事はできなくなるでしょう。

社会はどんどん変わっていくので
10年変わらないサービス・商品で商売している会社は、消滅します。
人は30年同じ仕事をし続けてるとしたら、
年齢をとる分だけ市場価値は逆に、下がっていきます。
今までと一緒、ずっと変わらないのが良いと思っていても、更新できない。
成長できなければ、時間の経過とともに
世の中の変化とのズレが生じてきて、求められなくなります。
それは、会社で言えば倒産、人で言えば転職です。
どんな人でも、どんな会社でも10年というスケールで見たら、
更新せざるを得ない場面にぶち当たります。
都合の良かったことが、都合の悪いことに反転する時が来ます。
それを環境のせい、誰かのせいにすれば、
自分を否定せずに済むのですが、
更新が遅れて会社は倒産という現実が待っています。

人も会社も年をとるという現実は非情です。
100年企業を目指すと決めたからには、世の中の変化を予測し、
それに合わせて自ら変化して成長するしか道はありません。
「変化」か「死」かの選択です。
「リスク」を伴わない「成長」はなく、
「否定」の伴わない「更新」もない。
「痛み」の伴わない「変化」は、幻想です。
「憂鬱」を伴わない「成功」もないのです。

100年起業はそうやって、
あがき、もがいた歴史を紡いできたのです。