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COMPANYKISHII’S COLUMN

KISHII’s COLUMN岸井コラム

不足と向き合う

不平、不満、不快、不便、不足、不遇、不幸
「不」は、どうもネガティブだ。

「吾唯足知」とは、真逆で
人間はいつでも、あれが足りない、これが足りない
不平不満ばかり、それでは幸福になれないよ。
だから、「足りていることを知りなさい」というメッセージ。
不足と向き合えば、自己嫌悪や自己否定に結びつく感じがする。
だけど不足がなく満ち足りて、安泰になったとしたら
少なくとも、会社の安泰は「死」に近い。

人間は何を自分の幸福と定義するか、にもよるのだけれど、
チクセントミハイの「フロー」の概念では、
夢中になっている状態と言っていて
損得だとか、評判だとかの計算がない、時間を忘れるような状態を
最高に幸福な状態だと言っている。
子供が夢中で遊んでいるような状態
仕事をしてる時間の大半は、喜びや満足を感じるどころか
苦痛だったり、そんなもんだよと言う諦めもあったりする。
でも仕事で、「フロー」感じれたら、そりゃ幸福だ。

「会社が楽しい場所だったら、俺は社員から入場料をもらう」
と永森さんは言ってる、そりゃそうだ。
有能で魅力的な人は、辛そうに仕事するんでなく
楽しんでやってるように見える。
その違いはなんなのだろう?

理想を追いかける人は、いつだって理想と現実のギャップに心を砕く。
ギャップは不足というより伸びしろと捉えるけれど、
不幸な人は、自分の不足をダメなところとして捉える。
ダメな自分であってはいけない、ダメな自分を見せてはいけない。
打てそうもない打席には立とうとしない。
間違いや失敗を避け、理想を低くしてギャップを小さくする。

うまくやれないところが、伸びしろなんだから
不足を知る機会 空振り三振を多くするほど、学べる機会と捉える。
目先の損得や評判を気にする人は、空振りをしないよう、打席に立たない。
歳を重ねるほど、無知と失敗は恥として 未知の領域へ進もうとしない。
手を止めてノコギリの歯を研げばいいのに、切れない歯で頑張る。
本を読めばいいのに、もっと人に会いに行けばいいのに、
無知な自分を知るには、未知なる場所に行く。
私もバカではないというプライドが
自分を固定したものにして、成長を止め、楽しめなくする。