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KISHII’s COLUMN岸井コラム

優しい社長が会社を潰す?

以前にネイリストがサロンに一人しか居なかった頃、
辞められては困るからつい甘い対応になって、
役割、責任というより、
スタッフは「働いてあげてる」という感覚にさせてしまったことがありました。
個人対個人の情緒的な感覚で、スタッフの居心地良さを優先した結果でした。
働く人にとっては長い人生で、いくつも職場・会社を経験することになるわけです。
ウチで働いた期間が、他の会社に移った時に、
労働市場で高く買われるか?、安く見積もられるか?は、 
・ どれだキャリアを磨いたか
・ どれだけ会社にとって有益な存在であったか
が、外へ出て初めて測られることになります。
若くて安い人材を選ぶか、
それとも高くても価値のありそうな方を選ぶか、
天秤にかけられるのが社会の現実です。

博報堂で働いていいた人と
近所の酒屋さんのお手伝いで働いていた人とでは、
社会から見た値打ちの付け方が全く違うように、
どんな会社で働いていたかは、その人の価値に大きく反映します。
所属するコミュニティ(会社)= 社会的に見たその人の価値。
自分の勤める会社に不信を感じるようなら、
そのままその会社で働くこと事態が
会社での評価も自分自身に価値も下げてしまうことになります。

成長を求めた共同体(コミュニティ)からは
外れた位置に居るという現実となるからです。

本人の成長のためには、信頼できる会社を選びなおすことが賢明です。
会社にとっても、長く働いている社員が
不信を感じているならばリセットしなおすべきでしょう。
ボタンのかけ違いはどこから来ているのか、
表面的な対処ではなく
根本的なところを見直さなければいけません。

以前に読んだ本で、「優しい社長が会社を潰す」という
衝撃的なタイトルの本は、とても面白い内容でした。
優しい上司は、相手の言い分を聞きすぎる。
下手な美容師も、相手の注文を聞きすぎる。
優しい社長は、社員の要望を聞きすぎる。
本人にとって有益なことと、会社にとって有益なことを
情緒や感情にとらわれず、合理的に判断評価して組織のノームにすることが、
強い組織、成長し勝ち残る組織にしてゆく上で必要ですし、
100年続く会社になる両利きの経営と考えます。