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COMPANYKISHII’S COLUMN

KISHII’s COLUMN岸井コラム

識学的には

この会社で働く意味はなんですか?という問いに対して、
識学的な解釈では、何らかの欲求を満たす手段、
つまり自分にとって有益性が、会社と人を結びつける重要な要素であると表現します。
会社にとっての有益性と働く人にとっての有益性がうまく結びついた時に、
成長、発展という実りを得ることができます。
とはいえ、人も会社もナマモノですから、認識のズレが生じます。
そのズレを、できるだけ少なくするために
役割の定義づけと目的の共有認識が必要になってきます

会社は一つのコミュニティという点でいうと、
社会的欲求を満たす手段の一つが働く場所であり、
その中には所属の欲求があり、集団に属し、仲間を求めようとする気持ち、
家族やなんらかの組織に属することで、
安心を得ようとする欲求、それがマズローの5段階欲求でいうところの3番目。
その手前、2番目に安全欲求があり、それはいつ生活が脅かされるか分からない。
不安定な状態から脱したい、この安全欲求がある程度満たされることで。
少しでも秩序ある安心できる環境で暮らしたいという
3番目の社会的欲求へと進むといわれる。
ある程度3番目の欲求が満たされると、4番目の承認欲求へと段階が進み、
承認欲求は、所属する集団の中で高く評価されたい。
自分の能力を認められたいという欲求、
それを獲得することがモチベーションとなって、
自分のポテンシャルに気づき、自分を成長させる原動力になると言われる。

多くの場合は、2番目の安全欲求、3番目の社会的欲求、4番目の承認欲求を
行ったり来たりしており、4番目の承認欲求がある程度満たされると、
5番目の自己実現の欲求へと進むといわれる。
自己実現の欲求は、自分にしかできないことを成し遂げたい、
自分らしく生きていたいという欲求。
社会的に成功するだけでなく、
理想的な自己イメージと一致していくこを目指すというもの。
会社は5段階欲求の中で、
より上位欲求に進めるような環境、仕組みを整えることが課題となる。
人間の不安や不満の要素は、生きている限りどこまで行ってもなくなりはしない。
それをどう転換して、より上位段階へと進む力に変えられるかが、
個人の課題。
会社としての課題解決としては、
職場の中に影響力のある上位欲求の段階のモデルを作ることと、
適切な能力評価、フィードバックを行なっていくこと。

会社にとって有益性は成長発展することです。
会社の考える理想や目標達成に近づいていくことです。
個人にとって有益なこととが、どれだけ重なり合うか。
その有益性を考えるのに、中途採用の面接時点であれば
双方の責任、役割、期待、求める成果を話し合い、
合意すれば入社となる。
働く側にとっては、自分自身の市場価値を高められるかどうか、
上位欲求を満たせる可能性がある職場かどうか、
を判断することになります。
しかし、長く働いてくれている社員に対しては
適切な能力評価やフィードバックがおろそかになって、
自己評価だけが、一人歩きする危険性があります。

会社にとって有益性と個人にとって有益性。
認識のズレを修正するためには、
定期的な面談によって、
この会社で働く意味を再確認する必要があります。