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COMPANYKISHII’S COLUMN

KISHII’s COLUMN岸井コラム

拠り所

医療産業も軍需産業も、飲食産業も社会保障も、
美容産業も、どの産業も小さくなると困る人が居て、
大きくなる分には多くの人が喜ぶ。
だから経済は大きくななろうとする意思が働く。
だけど、すべてはい一方通行ではない。

波のように行ったり来たり、上がったり下がったり、
壊れてなくなったり、新たに生まれたり、
世界は一定ではなく、常に変化する。
日本の人口が減少に転じているということは
反転が始まっていて、今まで常識が都合悪くなる。

年金は若い人が多い時代は、将来の保証として機能したけれど、
お年寄りが多い時代は、将来の保証というものから
現役世代がお年寄りを養うものへと変わった。
さらに、少子高齢化が進む先は、
年金ではなく、税金と名前が変わらざるを得ないだろう。
世界中の年金基金の多くは、株式市場でお金を運用するプレイヤーでもある。
自分の払った年金が将来に保証になるという考えは、すでに破綻している。
制度や仕組みも変わらざるを得ない。
自然淘汰と新陳代謝は自然の摂理。人間も社会も自然の一部。
自然は恵みをもたらすと同時に、災害や混乱も引き起こす。
一部である人間の意思と自然がぶつかり合う。
自然に逆らったところで割に合わないから、
自然の流れに沿った形になろうとする。

時代変化に富士フイルムは変わり身を遂げ、
カセットテープのTDKも変化して生き残った。
長く生きていると、人も組織も硬直化してゆく。
変化を前提とするのではなく、過去の常識と成功体験に縛られる。
どんなに大きな会社でも、
ゆでガエルのように死んでゆくか、あるいは買収されて生き残るか。
富士フィルムとTDKは、そこそこ大きな会社にしては異例の変わり身を遂げた。

会社は有機体、組織のモデルは人体であるという捉え方がある。
左脳がイカれると、右脳がその役割を補う。
胃が無くなっても腸が機能を補う、脳がコントロールしているように見えて
実は、細胞が連携しあって補い合ってる。
異物を検知してやっつけてくれるNK細胞などは、
ガードマンとして雇った訳ではなく、
もともと備わった免疫機能で、誰かが指示を出すとはなく働いてくれている。
頭よりも細胞の方が、環境変化に対応している。
精神的健康でないと、NK細胞の働きが悪くなることが知られている。
だから、ヘンに頭で考えるより
他力をを信頼して他力に沿って生きる方が良さそうだ。
他力とは他人任せではなく、自然の大いなる働きのこと。

自然は分離と統合を繰り返す。
人間もくっついたり離れたりを繰り返す。
生まれた瞬間、母親と分離して、年頃になると結婚して統合する。
人は拠り所を求めコミュニティを必要とする。
家族、会社、国は自分を示す枠組み。
自分の役割があって、それを果たすことで居場所を作る。

できるだけ多くの人が心地良い居場所にするために、
WELL BEINGの在り方を、組織の中心にした
「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのまま」
が中心風土になるには、まだまだこれから。