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COMPANYKISHII’S COLUMN

KISHII’s COLUMN岸井コラム

コミュニティの良さ

何かを大切にするということは、手間をかけるということ。
目をかける、時間をかける行為のこと。
世の中の変化は、時間をかけず、手間をかけず、
よりお手軽な効率的で便利な方向へ進んでいます。


大量生産、大量消費の時代は、どんどん使い捨て。
新しいものを買って、どんどん捨てる。
手間ヒマをかけるよりもお金で解決する時代だった。
その結果として、モノは豊かになって経済的にも豊かになったけれど、
どこか精神的に満たされない何かをみんな抱えている。

1980年代は「ウエルビーイング」という言葉は聞いたことがなかったし、
「24時間働けますか」というリゲインのコマーシャルが象徴的だった。
みんなモノを手に入れることに一生懸命だった。

一家に1台だったテレビ・電話・車は、ひとりに一台になって、
時代は良くなり、モノの豊かさを手に入れ、自由と便利さを手に入れた。
はずなのに、せわしくなったような感覚。

知らずのうちに、「お金」に支配され、「システム」に支配され
自分ひとりでスマホで完結してしまう便利な時代は、
スマホ情報に支配され、人間が部品化してしまったような感覚。
人間らしさ、自分らしさから逆に遠のいてしまっているように思います。

自由で自立したようでいながら、
じつは世の中のシステムの部品化してしまい、
自分の存在価値や存在意義みたいなものを感じにくくなって、
人と比べての物差し、世の中の物差しが中心になって、
自分らしさや、人間らしさを見出しづらくなっている

そうした虚無感を埋めてくれるものが、コミュニティだと思うのです。
デジタルでは埋められない、リアルなつながり、
関係の中に喜びや真の幸福があるのだと思います。
時間を忘れるような夢中になれること、それを誰かと共感できたり、
心と体の一体化、頭と心の一体化、
自然のつながり、誰かとのつながりが薄くなり、
自由と便利と効率を求めことに偏りすぎた結果として、
分離が起きてしまっている。

自分らしさ人間らしさを感じづらくなった。
便利さが過剰になって、人間らしさが希少になった。
親切や愛情や人の関心に渇きを覚えている。
ライフスタイルコミュティは渇きを満たし、自分らしさを取り戻すつながり。

その重要性にみんなが気づき始めている気がします。