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COMPANYKISHII’S COLUMN

KISHII’s COLUMN岸井コラム

関心の輪

人の関心の輪の大きさは、ほんとうにそれぞれです。
昼ごはん何食べようかから、気候変動のことまで
自分ごととしている以外のことは
見えていても目に入らない。
聴こえていても耳に入らないものです。

空から半径500mを見渡している鳥の視点と、
半径50cm見て地べたをはっている虫とでは、
見えている世界がぜんぜん違うように、
10年のスパンで見ている視点と
今日のことだけを見ているのでは、まったく違った世界です。

事業は、種まきと収穫で成り立っています。
今日の収穫だけで喜んでいるわけにもいかず、
来年、その先のことを考え、種を植えていくのが経営です。
収穫が減っていれば、種を変える、まきかたを変える、
土を変える、養分を変える。

100年続く会社とは、どんな風土だろうと考えます。
上に伸びることばかりで、地中に根を張ることを忘れていないか。
枯れて固くなって、しなやかさを失っていないか。
収穫だけを見て、養分を忘れてはいないか。
作業だけになって、目的を忘れていないか。
今日のことに夢中になって、明日のことをおろそかにしてないか。

狭い世界だけを見ていると、
あらゆるものが循環して成り立っている現実を当たり前として、
支えられている豊かさが見えなくなります。
分断し、自分が独立して成立しているような
錯覚をしてしまいます。
広く視点を持って、つながりをちゃんと作らないと
簡単になくなるのが会社です。

歳をとってみると、
人に頭を下げる大切さを感じる今日この頃。