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KISHII’s COLUMN岸井コラム

人気

「人気」というものの要素を紐解くと、

それまでの常識からちょっとズレているような
バランスの悪さだったり危うさだったり、
過去のスタンダードを壊してしまうようなものだ。

時代のスタンダードを作ってしまったようなブランドは強いけれど、
いつひっくり返るか分からない。

かつて街の文房具屋さんはコンビニにとって変わられた。

お弁当もコンビニで買えるし、
銀行に行かなくてもお金がおろせる。

コンビニは街の人気ものというか「便利」で人を引き寄せている。

文房具屋さんは他の文房具屋さんに負けたんじゃなくて
コンビニに侵略された。

本屋さんはamazonに侵略された。

それまでは、同業他社との戦いは
「便利」という括りのカテゴリーによって壊された。

常識が変わり、専門店はよりニッチな専門性で特化するしかなくなった。

コンビニは「便利」を更新し続けている。

キャンプが人気なのは
行き過ぎた便利から不便へ、
日常の閉塞感から非日常の開放感へのカウンターのように感じる。

それまで常識的だったものが、新しいものへ向かう動きに「人気」が動く。

かつてのケビンシュワンツ
あるいはバリバリ伝説の巨摩郡
公道最速の藤原拓海
ボクシングに挑む那須川天心


リタイアか優勝かギャンブル性のあるチャレンジャー。
絶対王者を倒そうとする勢いのあるギャンブラー。

ステディでないとチャンピオンになれない。
でもステディな試合をしてたら人気者にはなれない。

勝負すべきときに勝負を仕掛ける勇気。
安全パイを狙うスタイルには人気は出ない。

勝率の低い勝負に賭けるような姿勢。
新たな展開、時代の変わり目を感じさせるもの。

会社も人も、チャレンジする情熱が失った時、色褪せる。
守る気持ちが強くなれば人気も失せる。

未来の変化に期待する前向きな気持ちが、
心身の健康、つまりはウエルネス(幸福)を増進する。

「未来を変えうるような期待」
人気とはそうした姿勢を体現するような人、会社、ブランドに集まる。

「運」も「縁」も「お金」も人気について回る。
人気は儚く、人気を維持するには自ら常識を塗り替え更新し続けるしかない。